5話を見たら「ユーリオンアイス見て下さい」しか言えなくなるぅぅ
ユーリは始まる前までノーチェックだったのだけど、実際に1話を見たら、フィギュアのシーンがすごくて見るようになって、見ているうち、フィギュアの作画がすげーってだけじゃなくて話自体も面白くて。
アイドルアニメ好きに今期見て欲しいアニメだったりする
(その一方で、うたプリもアイドルメモリーズも見てない自分ですが……)
第5話は、主人公の勝生勇利(以下ユーリ)が今シーズン初戦、九州四国大会に臨むというもの
ユーリはこれまで、ロシアのヴィクトル選手に強い憧れを抱き続けてきた。今年で23歳、スケート選手としては既に引退間近の年齢で、九州四国大会での周囲の選手はだいたいみんな18歳くらい。
ここで出てくるのが南くんという17歳の若い選手で、彼はユーリに強い憧れを抱いている。
第5話は、これまでヴィクトルへ憧れる一方でメンタルの弱さを強調されてきたユーリが、実は後輩から憧れる存在でもあったということが描かれる回であった。
はい、これでもう、アイカツ!とか好きな人は、見なきゃって思ったでしょ?
「ユーリくんに黒歴史なんてない!」「ユーリくんと一緒にグランプリファイナル出るまで待ってて!」など南くんのドストレートな言葉に涙腺がゆるみっぱなしになる、俺の。
そして、この後輩に刺激されて熱くなるユーリも熱い!
この作品のすごいところは、毎回毎回長回しのスケートシーンがあることで、しかもそれが大抵2回も入っている。手描きだわ背景動くわ。
アイドルアニメで、CGじゃなくて毎話ダンスシーンがある作品なんてあります?
もちろん、アイドルアニメではグループで出てくるし、衣装もフリルいっぱいついてたり凝ったデザインだったり、女の子だったら揺れる髪も描かなきゃいけないし、それに比べればある程度はフィギュアの方がといえないこともないこともしれないけれど、そんなの差し引いても異様なほどの質と量
でもまあ、とりあえず作画のことは今はさておく。1話の中で複数回見れちゃってすごい、と言いたかった。
5話でも、スケートシーンが3回ある。
この大会は2日間あって、1日目と2日目のフリーがある。Aパートで1日目のユーリの演技、Bパートで2日目の南くんとユーリの演技が描かれている。
Aパートユーリのシーンは、ボイスオーバーでユーリの心の声が流れるのだけど、
Bパートユーリのシーンは、ボイスオーバーでコーチのヴィクトルの心の声が流れる。
Bパートのボイスオーバーが、ユーリじゃなくてヴィクトルっていうのがいい!
どういうことか。
ユーリの今シーズンはあくまでもグランプリファイルがメインであって、初戦の国内大会は調整の意味合いが大きい。そのため、コーチのヴィクトルはユーリに対して、2日目はジャンプの難易度を下げて、演技に集中するように指示する。
でも、南くんのフリーを見ちゃったユーリは……
この作品は、ユーリのナレーションが多用されるので、ユーリがその時何を思っていたのか等の説明が多いのだけど、このBパートは、ユーリが何を思ってああいう演技にしたのかは言葉では説明されない。
そもそも、Aパートのシーンでは、ユーリの心の声が視聴者には聞こえていた。「次、なんだっけ」とか。
それに対してBパートは、ヴィクトルの「変更したのか?」とかいった声を聞きながら見ることになる。
ユーリの内側から見ていたのを、ユーリを外側から見るように、視聴者の視点が動かされるんだけど、それが効いてると思った。
それから、このシーンは情報量が多い。
まず、テレビアニメの視聴者というのは、自分も含めて、あまりフィギュアは見ていないと思うし、まあ視聴者が知っているかどうかはおくとしても、アニメというのは今何が起こっているのかに対する解説を加えることが往々にしてある。「知っているのか雷電」という奴である。
今の動きはどういう意味があったのか、優勢なのか劣勢なのかなどの解説である。
「今の技はすごいぞ」と登場人物の誰かが言ってくれることで、「なるほど、今のはすごかったのか」というのが視聴者には伝わる。
あるシーンに対して、どういう意味があったのかを伝えるのをメタ情報とでも言っておこう。
でもこの5話、例えばAパートだと、ユーリの心の声を聞いてるだけだとうまくいっているようには思えないんだけど、実は自己ベストの高得点を出したりしている。メタ情報がなんかちょっと食い違ってるところがある。
Bパートだと、ヴィクトルはコーチということもあって結構ダメ出しをしてくる。つまり、ヴィクトルの心の声というメタ情報は、ユーリの演技をあまり評価していない。ところが、ヴィクトルの表情はむしろユーリの演技に惹かれている(後に言葉でもそのことを述べるけど)ように描かれる。また、観客も同様。このあたりのメタ情報はむしろ、ユーリの演技を評価しているものになっている。一方で、ユーリ自身の表情はというと、硬いものになっいて、「あれ、うまくいってないのかな」と思わせるものになっている。
では、実際の演技そのものはどうだったのかというと、ジャンプは失敗しているしうまくいってないところは多い。にも関わらず、魅力的で点数的な評価もよいものになっている。
つまり、「この演技はよいぞ、すごいぞ」という情報と「この演技はうまくなかったぞ」という情報とが複数折り重なっている。
有り体に言えば、技術的には拙いものになってしまったところがあるが、演者の気持ちがノったために見る者を惹きつける演技となった、というところで、
そのシチュエーション自体が熱い展開なのは間違いないとして、それを、スケートシーン自体とそれをどういうふうに解説するかという2段階で盛り上げてくれているのだと思う。
ユーリオンアイス見て下さい!