プリズムの煌めきの向こう側へ

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Throne of Dispairについて

リズムゲームアプリ「8beat Story♪(以下エビスト)」に登場する2人組ユニット2_wEi(ツヴァイ)の1stアルバム『Throne of Dispair』が11/7にリリースされた。

 

アルバムのタイトルにあるとおり「絶望」をテーマに、ラウドロックサウンドで統一された11曲が収録されている。

2_wEiは、エビストの中では、主人公たちのライバル、もっと言ってしまえば「敵」にあたるユニットであり、11/18には単独ライブ東京公演、12/29には同じく大阪公演が控えている。


アルバムリリースに先立ち、アプリ内では、2_wEiのストーリー第2章「絶望の歌」が公開された。

ここでは「絶望の歌」に簡単に触れながら、このアルバムについて紹介したい。

というのも、このアルバムの中にもストーリー性があり、これがアプリ内で配信されている物語の内容を知っていると、うまく相乗効果が働いて、エモくなれるからである。

 

  1. Prologue -F**K YOU ALL-
  2. Despair
  3. Lost in data
  4. LOVE HATE
  5. Green Cat.
  6. basement
  7. MMIX
  8. Homeache
  9. Numb
  10. UNPLUG
  11. Pain - pain

 

Throne of Despair

Throne of Despair

 

 



  1. Prologue -F**K YOU ALL-

タイトルどおり、プロローグ

イントロ的な短い曲で、2人の台詞が曲にあわせて収録されている

作詞作曲は、シン・マナヒロ

 

  1. Despair
  2. Lost in data
  3. LOVE HATE

アルバム冒頭は既発表曲が3連続で続く。

 

  1. Green Cat.

こちら、アルバム新曲となる曲

エビストでは「Ecstasy」を作詞作曲したWiggyによる曲

Aメロが好き

 

  1. basement

これも既発表曲

 

  1. MMIX

ここからちょっと雰囲気変わったなって感じなって、「Homeache」「Numb」と続く流れが、ストーリー「絶望の歌」を見てから聞くと、アルミとミントの苦しみと呼応している。

アルバムリリース直前に公開された2_wEiインタビューにおいて、虎牙アルミ役の野村麻衣子さんは以下のように話している。

 

野村:「MMIX」、「Homeache」、「Numb」とかは、ふたりの曲の幅を広げるというか、ふたりの新しい一面を見せる曲ですね。今後は、ずっと"憎しみ"、"絶望"って言っているだけじゃないストーリーになっていく、そういう展開になる前の布石みたいになっているのかなと思います「Pain - pain」も、曲は攻めている感じなんですけど、ふたりが新しい一歩を踏み出すかどうか悩んでいるような曲なんです。

 

gekirock.com

 

アプリ内で配信されている、2_wEiのストーリーは、大雑把にいうと以下のような感じ

2人はアンドロイドなのだが、元を辿ると、虎牙優衣という女性プログラマーによって開発されたボーカルソフト。しかし、何ゆえにか虎牙優衣によって削除されてしまう。

それをMotherによってサルベージしてアンドロイド化されたわけだが、理由も分からず削除されたことに対して強い憎しみを抱いている。

第1章では、2_wEiの2人は優衣に復讐するために彼女を探し出そうとするのだが、実は、優衣は既に亡くなっていたことが分かり、復讐する先を失ってしまう。

第2章では、優衣自身は亡くなってしまっているものの、自分たちが削除された理由が分かるのではないかと、優衣の住んでいた家にアルミが通っているところから始まる。すると、優衣のシミュレーションAIが起動する。優衣の人格とホログラム映像を伴うプログラムだが、記憶がロックされているので、何故2人のことを削除したのかは覚えていない。

で、まあなんやかんやあって、アルミは結局このプログラムは優衣本人ではなく優衣の偽物でしかないと判断し、破壊する。ところが、ミントがこのプログラムは本当に優衣本人の人格がコピーされていた本物であると気付き、ロック解除の方法に思い当たる。時すでに遅し。2人は、再び優衣を失う。

2_wEiは「絶望」を歌うユニットなわけだが、このストーリーから、何重もの「絶望」が積み重なっていることが分かる。

(1)母親たる優衣に捨てられた、という絶望

(2)復讐を遂げることによって憎しみを解消しようとするも、それを絶たれるという絶望

(3)何故自分たちが捨てられたのかを知る道を断たれた絶望

(4)本物だったかもしれない優衣を、自分たちの手で失ってしまったという絶望

また、ここまで「2人は」「2_wEiは」という主語で語ってきたが、アルミとミントには優衣へのスタンスとして違いがある。

ミントは、優衣に愛された記憶がある一方で、アルミには、それすらもないという点。

また、ミントは、優衣が自分たちを削除したことには理由があるということを何となく知っているのだが、それをあえて忘れたふりして、憎む「ことにしている」節がある。

一方のアルミも、本当に憎しみを覚えているというよりは、むしろ、本当のことを知りたい、という気持ちの方が強いように描かれている。

彼女たちは、憎しみや絶望を歌っている、ことになっているが、実際のストーリーで描かれている彼女たちが本当に憎しみと絶望に染まっているのかというと微妙で、行き場がない感情を「憎しみ」と「絶望」ということにしている、というように見える。

そのうえで絶望があるとしたら、やはり彼女たちは、見た目はともかくアンドロイドとしては生まれたての、つまり非常に幼い存在なのであって、母親=優衣を暗に明に求めており、その望みが満たされない、という点が絶望になっているのかな、と。

 

で、それを踏まえて、歌詞を見てみると

MMIXではCメロ部分で以下のように歌っている

 

孤独な貴女が/苦しみ抱え 足掻き/その中で愛したもの

Drown in the sea of data.

This is a story of the divas.

We are the successors, so we're destroying it forever

 

この曲、サビでは「復讐を遂げるため」「この恨み晴らすため」と歌っているのだけど、Cメロ部分を見れば、優衣に対する理解がほの見える。

「孤独な貴女が~」の日本語部分はミントが歌っており、ミントが優衣に事情があったことを分かっていることが踏まえられている。

この曲、歌詞自体は、まあいつものごとく物騒ではあるが、曲調自体はむしろ切なげで、特にサビ終わりの、アルミ=野村さんのロングトーンが切なく響く


曲の特徴としては、最後のサビでちょっとボーカルチョップされてる。



  1. Homeache

この曲はもう、切ない系アニメED曲って感じの曲で

シリアスなバトルもののアニメとか見た後に、流れてきてしんみりするような感じの曲調なわけですが

曲調も歌詞も全然攻撃的なものではなくなっている。

憎しみや恨みではなく、悲しみや喪失感を歌ったものになっている。

2_wEiというのは、自分たちが理不尽に捨てられたことから人間たちを憎み、恨んでいる存在というコンセプトなんだけど、それは、母親のことを求めているのに叶えられないという寂しさと裏腹

その上で、そのことを認めようという気持ちで、で、どうすればいいんだって気持ちが描かれている

「本当にこれでいいの?/今までの日々をゼロにしよう」とか「帰る場所もないのにただそれを求めて/歩き続けんだよ 意味はあるのかな」とかには、このままの状況ではよくない、変わろうというのが込められているし、さらに「さぁ行こうか 帰ろう オンステージだ」とまで歌われている。

「帰る場所」「帰ろう」というのも、何となく家族というのを求めているのかなというのが、うかがえる

また、アルミとミントが交互に歌うことで、まるで2人の会話のようにもなっている

 

(ミント)Tell me why どうしてなんだい

(アルミ)My sister どんな気持ち?

 とか

(ミント)ねぇ覚えてる?二人で歌う場所

(アルミ)君の歌声を一緒に届かせたいんだよ

 

ミントは妹だけど、わりとミント先になっているのが、またよい

優衣の記憶持ってたりするのはミントの方だし



  1. Numb

激しい曲ではないけど、静かにかっこいい

 

僅かに照らされた明日の道を

今はこの手で終わらせるしかなくて

それでもいつかまた見えたのなら

もう二度と手遅れにならないように

 

 

第2章のことかー!

でもここで「もう二度と手遅れにならないように」とまで歌っているのが、2章で書かれていないところまで踏み込んでいる



  1. UNPLUG

で、そのあとに「UNPLUG」入れてくる曲順がずるい!

元々リリース順としては、2曲目にあたる曲だけれど、アルバムの後半に入ることで、また違ったニュアンスが込められてきたように思う。

世界を壊しにいく歌かなと思ってたけど、世界に飛び立っていく歌なんだなーと



  1. Pain - pain

アルバムラストのこの曲、再びシン・マナヒロの作詞作曲によるものだが、普通に名曲

イントロのギターが非常にかっこいいし、Aメロの2人の歌の絡みあいがきれいだし、サビはキャッチー

森下さん演じるミントが、歌の面でかなりフィーチャーされている。

例えば英語部分でミントが歌っているパートがある。

今まで英語部分は、基本的に野村さん演じるアルミが担当していたはずで、そこがミント演じる森下さんにも任されているという点だけでも、よいな、と思ってしまう

そして、落ちサビでベースだけになるとこ、めっちゃいいし、そこにミントの「なんでなの」が入ってくる

 

歌詞を見ると、かなりはっきりと憎しみや絶望以外の感情が歌われている

「閉ざしたフリしても 恋焦がれてたMelody/なんて愛おしいんだろう」

「今迄は芽生えたりはなかった/痛む底に隠された/寄り添うような温もりと あの優しい祈り」

MMIX、Homeache、Pain-painの歌詞を見ていると、優衣を失った悲しみを、優衣から授かった「歌うこと」によって乗り越えてゆくのかな、というストーリーが垣間見えてくる。

歌をもらい、もらった歌によって、喪失を乗り越える……今書いてて気づいたのだけど、これって空乃かえでのストーリーと相似では?