渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行われた2_wEiの1stライブ
昼夜2公演のうち、夜公演へと参加してきた
時間的には短いライブだったが、非常に濃縮された密度の濃い時間だった
めちゃくちゃ満足度高いし、2_wEiのこと、もっとたくさんの人に知ってほしいっていう気持ちが高まった
2_wEi強い!
感想を一言でまとめるなら、「2_wEi強い!」に尽きるのだけど、これは色々な意味の強さがある
(1)曲が強い
(2)2人のヴィジュアルやパフォーマンスが強い
(3)コンセプトに徹したライブの作りが強い
(4)エビスト本編シナリオの位置づけとして、2_wEiが強い
(1)曲が強い
これはライブ行かずとも、CDが配信で音源を聴いてもらえれば分かること
2_wEiは、ラウドロック路線にふった2人組ユニットで、1stアルバムも全曲その路線を貫いており、ライブもアルバム全曲を披露するものとなっている
こぶしやペンライトを突き上げ、ヘドバンをする、そんな二次元アイドル系ライブが好きならば、こんなうってつきのユニットはきっと他にはいない
虎牙アルミ役の野村麻衣子さんの、歌がめちゃくちゃ上手い、というのは音源聞いただけでもわかるのだけど、実際ライブで聞くと、野村さんも森下さんも、音源以上の歌唱をかましてくれるので、その点でも2_wEiはCDよりライブ!
CDだけでもこんなにいいのに、ライブはさらにいい! 強い!
(2)2人のヴィジュアルやパフォーマンスが強い
既に上に少し書いたけれど、歌が、CDよりもライブの方がさらにいい
虎牙ミント役の、らなちゃこと森下来奈さんのライブパフォーマンス力が本当に高い。
歌そのものもパワフルになるのだけど、歌い方が本当にエモーショナル
2_wEiは、曲中にダンスもあるのだけれど、基本的には振り付けなしの方が多く、全力で歌い上げているのが伝わってくる歌い方をしている。
ヴィジュアル面でいうと、野村さんは美人だし、らなちゃはかわいいしで、元々見た目がよいというのはあるのだけど、それに加えて、2_wEiのライブでは2_wEiのキャラに完全に入り込んでいる。
以前も書いたのだけれど、らなちゃは表情を作るのがめっちゃうまいんですよ。かわいらしさとセクシーさとが合わさっていて、完全にミンちゃん
そして、野村さんの力強さ、かっこよさというのは、ナナシスライブでQoP見てる人には自明の話かなと思うけど、ムラサキとはまた違ったかっこよさで。
あの眼光で客席をにらみつけていくのだけど、いや、あれ「にらみつける」というのともまたちょっと違うな、「ガンつけてくる」みたいな攻撃性はなくて、視線の強さだけで圧倒させる系。あれは、完全にアルミお姉さま。
(3)コンセプトに徹したライブの作りが強い
2_wEiがライブに出るのは実は2度目で、以前、エビストの4thライブで乱入という形で出演している。4thライブは自分は見に行っていないのだが、伝え聞くところによると、2人はアルミとミントに徹しており、ハニプラの敵であるという形での演出だったようだ。
で、今回のライブについても、始まる前から、「キャラクターに徹するのだろうか、声優本人としてのMCを入れるのだろうか」ということを気にしているファンの雰囲気はなんとなくあった。
アイマス育ちナナシスオタクの自分は、わりとそのへん、どっちでもいいというか、あんまり気にしてないんだけど、振り返ってみると、今回の2_wEiのライブの濃密さ、満足度の高さは、コンセプトに徹したとこから来ているのだろうな、と思う。
MCはすべてアルミとミントとしてのものであり、野村麻衣子、森下来奈としてのMCは一切なし。それどころか、開始前の注意事項アナウンスや最後の告知映像の出し方にいたるまで、タイプZアンドロイドのライブであるというコンセプトを感じさせる演出がきっちりなされていた。
プロローグ曲含めても全11曲と曲数少なめなのだけど、その全11曲だけで完全燃焼させるというド直球なセトリ
っていうかこれを1日2本回ししているわけで、キャスト2人の体力的にもすごく攻めていると思う。この曲調の曲をたった2人でノンストップでやっていくわけだから。
本職のアイドルとかならともかく、彼女ら、本職は声優なわけだし。
衣装替えもないし、ショートアニメ的な映像とか小芝居とかもなし。
ひたすら、2_wEiの世界観と音楽と2人のパフォーマンスでぶん殴るだけ。
(4)エビスト本編シナリオの位置づけとして、2_wEiが強い
コンセプトに徹し、ある意味非常にシンプルで直球なライブだったわけだけれど、その一方でというか、それ故にというか、エビストの物語とのリンクが非常に強い。
今回のライブの元になっているアルバム自体が、2_wEiのシナリオ第2章を踏まえた上での物語性がある、というのは以前にも少し書いたところ
そして、ライブはさらにそれを踏まえて、その先へ進んでいくという作りになっているわけ
2_wEiライブのよかったとこは、シナリオと連携してたなってとこなんだけど、シナリオの内容に言及してたとかじゃなくて、アプリ内シナリオ→アルバム→ライブで、確かに2_wEiの2人が成長していってるっていうのが分かる作りになってて
— シノハラユウキ (@sakstyle) November 18, 2018
絶望、絶望言うてるけど、その絶望を糧として強さに変えてるのが分かる
— シノハラユウキ (@sakstyle) November 18, 2018
絶望の内容はアプリ内シナリオで語られ、絶望をどのように変えるつもりなのかはアルバムで示唆され、そしてライブのMCで宣言がなされ、パフォーマンスで強さを見せる
具体的な話は、あとで書くとして、何がどう「強い」のかということだけ先に書いてしまう。エビストというのは、人間vsアンドロイドで音楽バトルをしている世界という設定があり、主人公たちのハニプラは人間サイドのチーム。これに対して2_wEiはアンドロイドサイドの強力なライバル・敵として出現し、現在、アプリ内で配信されている物語上、ハニプラは完全に圧倒されてしまっている。
で、これまた以前書いたことなのだけど、最新話はこんな状態になっている
第10章の最終話のサブタイトルが「桜木ひなた」となっており、そのサブタイ見ただけでも「お」となった
言ってしまえば、島村卯月問題であり、メインヒロイン影薄い問題w が提起されたところ。
ひなたが何故ハニプラに加わることになったのか、ということは、既に彩芽編である程度触れられているので、答えは出てるんですけど、2_wEiとの対決のなかでどのように物語られていくのか、が気になるところ。
ひなたは、歌うことが好きで、また他の人にも歌が楽しいと思わせるものをもっている。そういう気持ちの力は、技術力よりも大事なもので、アンドロイドにはなく人間の強みなんだー、みたいなことなんだろうなとは思うんだけど、かなでも2_wEiも感情豊かだしなーと。
人間vsアンドロイド、技術力では人間はアンドロイドには勝てない。じゃあどうやって勝つ? 感情でしょ! っていうのは、非常に鉄板な話なんだけど、今回のライブで見せつけられたのは、「いや、ちょっと待て、2_wEiめちゃめちゃ感情あるし、その感情が歌の強さになってるぞ」ってことで
このライブ、特に最後のMCのところから感じたのは、「あれ、これ、物語上のハニプラの勝ち筋(の少なくとも1つ)が潰されたんじゃね?」ってことで、その点で、物語内の存在としての、2_wEiの強さというものを、巧みに見せつけるようなライブにもなっていた。
エビストが、ライブをストーリーに組み込んでいるって、こういうことか、と。
「言うて、なんやかんやして、ハニプラが2_wEiを倒すんでしょー」とか思ってたけど、「マジでどうやってハニプラが2_wEiを倒せるのか分からなくなってきた」というのを真剣に感じた
ライブ日記
会場が渋谷と近場だったので、お昼過ぎに物販で買い物した後いったん帰ってから、改めて夜公演に向かうという動きをとった。こういうことできると楽だなー
先生(アイマスにおけるP、ナナシスにおける支配人が、エビストでは先生。ただ、2_wEiの場合は「人間」の可能性あり)の女の子で、ほたるパーカー着てる子いたけど、あれ可愛いな。去年の夏コミのグッズなのかー。
自分が今回、わざわざ物販に行ったのも、Tシャツが欲しかったから、というのがある。
エビストはグッズのセンスが全般的によい
会場となるduoは初めて来たところだったのだけど、何故かよくわからんが、フロアに柱が2本どんと立っている。
会場の位置関係がどうなっているのかよくわからぬまま、後方やや上手寄りに陣取ったのだけど、この柱によってステージの一部が全く見えなかった。
映像化の予定がないと公言されているライブを見るにあたって、ステージの一部が見れなかったってあまりに致命的では、と思うのだけど、一方で、主観的満足度にはそれほど影響を与えていなくて、それだけよいライブだったんだなーとは思う。
2階席が関係者席だったみたい。社本さんと思われる人が誰か関係者と喋っているのが見えた。2階席、基本は椅子だと思うのだけど、柵に寄りかかって立ち見している人たちがわりといた。作曲家陣とかだったりするのだろうか。
開始前の注意事項アナウンス、ノイズ混じりになっていて、ここから演出が始まっている。
ところで、ここはいまいちよくわかってない部分なんだけど、アナウンスの中で「〇〇社からの警備員が来ていますので~」みたいなこと言ってたけど、もしかして、SotF社とかでしたか?
パイオニアサポートとかSotFとかが何なのか、あまりよくわかってないので、終わった後に「もしかしてそうだったのか」と思っただけで、聞いていた時は「警備員?」となっていただけだった。
エビストは、にわかの身には分からない設定が色々あって、よくわからない部分がまだ結構ある気がしている。
ライブ開始
虎牙優衣によるメッセージが流れる
2人の歌を、思いを受けとめてあげてね、私はもうこの世にはいないけど、的な内容
もうこの世にはいない人からオーディエンスに向けてのメッセージが流れるライブ、考えてみるとかなり不穏だw
- Prologue -F**K YOU ALL-
2. Despair
3. UNPLUG
MC
4. Lost in data
5. LOVE HATE
6. basement
MC
さて、ライブ前半は、アルバム以前に発表された曲を発表順に並べたセトリ
また、DespairからLost in dataまでは、既に他の場でも歌われたことのある曲である
UNPLUGのあとのMCは、開幕挨拶的なものなのでそれほど長くもない奴だったと思うので、体感的にはほぼノンストップで5曲をばかばかとやられた感じ
曲と曲の間に暗転があって、その時に2人はステージ脇に水を飲んでいたっぽいけど、それにしたってハードなセトリだ
英語の部分含めて、全部ガチで歌っている
英語の部分、というのは曲によっては、コーラスっぽかったり、メロディにかぶせる感じだったりするパートだったりするので、ライブによっては、録音を流してみたいにするのもありえなくはないようなところだと思うんだけど、そういうのは一切ない
UNPLUGは、スタンドマイクを使っているけど、間奏ではダンスが入ったりもする。
Lost in dataは、ステージ後ろの壁に「0 1 」といった光の演出があった。別の曲ではレーザーががんがん放たれる演出もあったりして、光の演出もかなりいい。
LOVE HATEだったような気がするけど、らなちゃの手の振り付けがよかったなあ。
basementは、「牙を向け」あたりの部分で、ネコの手みたいな振り付けが入ってて、2_wEiなのに可愛いっていう最高の奴だった。あと、あれは、ステージの端のお立ち台部分でやってくれたのでよく見れたし。
中盤のMC
アルミが一度ステージからはけて、ミント1人のMC
「人間は壊れやすいんですから、水をちゃんと飲んでくださいね」「それから、前の方詰めすぎです、一歩下がってください」などとツンデレ優しいミンちゃん。会場から「優しー」の声がとぶw
続いて、アルミ1人MC
「ライブって疲れるよねー」「うあー人間がいっぱいいるー」「2階にも人間がいるねー」など、お姉ちゃんモードのゆるいしゃべり。女性専用ゾーンの近くにしゃがみこんでファンサしてたみたいで、かなり悲鳴があがっていたw
ライブが終わった後食べるものの中に「まつざかぎゅー」が入ってて、そこでも歓声があがる
ふたたびミントが戻ってきて2人でMC
「アンドロイドは人間と違って栄養補給はいりませんから」というミントだが「控室でお弁当3人分食べてなかったー?」とアルミにバラされて、「クールでダークなイメージを壊さないでくださいっ ライブと関係ないことは言わなくていいんですっ」と
ちなみに、お昼公演では、ここの内容がグッズ紹介になっていて、やはりミントがアルミにバラされるというものだったらしいw
この、実は可愛い、という側面も含めて、しかしやはり、アルミとミントに徹しているMCだった
- Green Cat.
8. MMIX
9. Homeache
ここからは、アルバム新曲ゾーン
Green Cat.がよいのは言うに及ばず、MMIXとHomeacheが、ライブでさらに化ける
前半曲でもあったが、後半から特に、2人が向かい合って歌うような部分が増えた気がする。
2人で向かい合って歌う他、遠く上の方を見ながら歌い上げるところとかも印象に残っている。
それから、ステージ真ん中で2人が寄り添いあって歌うところとか
姉妹の絆!
っていうか、高音域のミント(らなちゃ)、低音域のアルミ(野村さん)のそれぞれのよさがうまく絡みあうバランスのよさ
メロの部分は交互に歌い、サビでユニゾンになるというパターンが多くて、これがすごくはまるというか
野村さんの声質による、「ヒラリヒラリ羽ばたいて」とか「忘却の果て」とか「戻れないのかな?」とかのヴォーカルの深みというか、まさに声の肌理としか言いようのないあの感じが、とてつもなくよいし
サビのユニゾンやハモりは、たぶんライブアレンジしているところもあったと思うし、ライブだからこそ感がすごくあった
Homeacheは2_wEiの曲の中ではおとなしめでじっくり聞くタイプの曲ではあるけど、やっぱ「帰ろう オンステージだ」の部分はテンションが高まるし、ラスサビはバックトラックに刻んだボーカルが入ってるのでなお高まる
MC
で、このMCがすごい
「やり残したことはありませんか」というミントの語りかけから始まるこのMCは、いつかやろうとか、いつか会いにいこうと思っていたことが、思いがけずできなくなってしまったり、会えなくなってしまったりすることがある。だからこそ、「今を生きろ」「今にすべてをこめろ」とアルミが宣言してくる。
物語の内容的に、虎牙優衣と2人のことを語っているのは明らかなわけだけれど、アプリ内で配信されたエピソードの2人って、ここまで強くはなかった。エピソードでの2人は、やはりまだ幼くて、母親を求めていて、しかしそれを失ってしまった、しかも自らの手で失ってしまったという絶望がはっきりあった。
で、アルバムで発表された曲の歌詞を読むと、これまた以前書いたことなんだけど
MMIX、Homeache、Pain-painの歌詞を見ていると、優衣を失った悲しみを、優衣から授かった「歌うこと」によって乗り越えてゆくのかな、というストーリーが垣間見えてくる。
歌をもらい、もらった歌によって、喪失を乗り越える…
それでもってこのMC内容は、かなり2人の中で、虎牙優衣の喪失が受け入れられていて、それを踏まえた上で歌っているんだ、ということが示されている気がする。
これは、圧倒的に強いでしょ
「あたし、歌うのが好き」とかいうレベルの感情力では太刀打ちができないほどに、「歌うことの意味」にめちゃくちゃエモーショナルな力が込められている。
「人類への復讐」とか「喪失への嘆き」とかだったら、そこを弱みとして突くことができるけど、「今を生きろ」って、復讐や嘆きを乗り越えてやっていくぞっていう宣言なわけだから、そこをつつくこともできない
(つまり、「あなたたちそんな理由で歌うの、ほんとは純粋に歌が好きだったんじゃないの、楽しかったんじゃないの」みたいな説得じゃ、揺るがないレベルになっちゃったよね、と)
これは強いですよ、物語内のライバルポジションとしても。
- Numb
このMCからの、Numb!!
この曲だったような気もするし、この曲じゃなかったような気もするんだけど、野村さんの歌と歌の間に漏れる吐息が素晴らしかった
ステージ背景の光の演出が、雨降ってる感じになっていたのもよかった!
- Pain - pain
ややおとなしめのNumbから、一転して、ラストのしめはもちろんPain-pain
めちゃくちゃ上がる
全部出してこいよと煽られまくってるし
らなちゃの「なんでなの」も聞けたし(昼夜両方とも見た人によると、昼の方がよかったらしいが。というか、まあ確かにちょっと、というところではあったんだけど。というか、野村さんの安定感が高すぎ)
そして、最後のうぉううぉう
ライブ前のエビニューで、らなちゃから、ここはみんなで全力で歌ってください旨言われていた部分なんだけど、アルバム聞いてるだけの時は、「ここみんなで歌うのって曲的にあうのかなー」と思ってたんだけど、実際やってみるとめちゃくちゃよかった
NumbとPain-painは、音源聞いたときから、めっちゃいい曲だなって思ってたけど、ライブでのこの2曲はまた違った、各別のよさがあったというか、盛り上がり方がすごかった。
曲が終わり、2人はステージから去る。
終演のアナウンスが入るが、それがノイズにかき消され、ステージ中央のスクリーンに告知映像が流される。
来年3月に、1stライブのTOKYO Final公演が行われることが告知され、ライブの全演目が終了。