冬コミに向けたダイレクトマーケティング企画!
2016年二次元アイドル楽曲20選!
今回の冬コミにて、二次元アイドル音楽ガイド『MIW』を発行することになりましたので、そこで得られた知見を活かしつつ(?)完全なる独断と偏見をもちまして、2016年に発表された二次元アイドル楽曲の中からこれぞという20曲をセレクションしてみました。
『MIW-MUSIC OF IDOL WORLD』
C91 3日目(土曜日) 東U12bにて
8つのエッセイ、19の作品別ガイド、129人の作曲家別ガイド、1478曲の楽曲リストで、二次元アイドル音楽の魅力に迫る1冊です。
詳しくは
sakstyle.hatenablog.com
寄稿していただいたみなさんのツイートも含めて、以下にも情報をまとめています。
togetter.com
『KING OF PRISM』より「ドラマチックLOVE」
今年の二次元アイドル界は、キンプリ旋風から幕を開けたといっても過言ではないでしょう。本編終了からおよそ2年の時を経て劇場公開することのできた奇跡のスピンオフ作品。崖っぷちだった状況から一変、応援上映という言葉を一般化させる程の盛り上がりを見せるまでになりました。
この曲は、そんなキンプリのエンディングテーマ曲。本作から登場した新キャラクターたちが「ありがとうの代わりに好きって言わせて」と歌う爽やかな一曲です。
『アイカツ!』より「カメレオントーク」
始まりがあれば終わりもあり、終わりはまた新しい始まりへと繋がっていく。女児アニメ界の二次元アイドル作品として3年半に渡り続いていた『アイカツ!』も今年の3月に終了。しかし、それに先駆けてスマートフォン向けアプリゲーム『アイカツ!フォトonステージ!!』(フォトカツ)をリリースし、本編は終わるもののアイカツ世界は続いていくことを示しました。
「カメレオントーク」は、そんなフォトカツからの第1弾シングル。星宮いちごと音城せいらによるユニット2wingsの新曲という位置付けです。ロックなアイドル音城せいらが加わったことにより生み出されたかっこよさは、この曲で一層磨きがかかったと言えるのではないでしょうか。
【アイカツ!フォトonステージ!!】オリジナル新曲「カメレオントーク★」プロモーションムービー(フォトカツ!)
『アイカツスターズ!』より「Dreaming bird」
今年の4月より、『アイカツ!』の後を継いで始まった『アイカツスターズ!』は、過去3年間で培ったアイカツ的なるものと、今までのアイカツ!ではやらなかったこと・できなかったことをうまく組み合わせている作品ではないかと思います。
実はこの「Dreaming bird」の作編曲の南田健吾は、先に紹介した「カメレオントーク」の編曲者でもあります。『アイカツスターズ!』の音楽を担当する制作会社onetrapに所属し、「永遠の灯」の作曲から『アイカツ!』に関わるようになった方ですが、間違いなくアイカツシリーズにとって重要な作家の1人と言えるでしょう。そしてそのことは、この圧倒的迫力をもった名曲を聴けば、自ずと明らかになるはずです。
アイカツスターズ!ミュージックビデオ『Dreaming bird』をお届け♪
ちなみに、この曲については、『MIW』にエッセイを寄稿していただいた甘粕試金さんが以下のような記事を書いています。
届けられてしまったからには:アイカツスターズ!『Dreaming bird』讃 - We sell HELL and suffer well
『ドリフェス!』より「PLEASURE FLAG」
2016年よりスタートした、バンダイによる2.5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!』
『アイカツ!』のスタッフ陣による、男性アイドルものです。職業声優ではなく若手俳優・モデルらによるユニットDear Dreamが結成され、彼らが二次元アイドルの声も担当しています。
TVアニメのOPにしてDear Dreamの2ndシングルをセレクトしてみました。フューチャーベース的な要素を取り入れつつも、爽やかな男性アイドルらしい明るくポップな仕上がりとなっています。
アイマスで「Princess Snow White」、ラブライブ!で「sweet&sweet holiday」、SideMで「BRAND NEW FIELD」などを作った山口朗彦らしい曲とも言えるでしょう。
DearDream / アニメ ドリフェス! OP/ED主題歌 PLEASURE FLAG / シンアイなる夢へ!
『ラブライブ!サンシャイン!!』より「Guilty Night, Guilty Kiss!」
二次元アイドル作品の中では頂点を極めたと言っていい『ラブライブ!』も、新シリーズ『サンシャイン!!』へとバトンが手渡されました。企画自体は2015年からスタートしていましたが、今年になりTVアニメが放映され、本格的にサンシャインへと移り変わった感じがあります。
『ラブライブ!』の頃から、ユニット内ユニット活動ががありましたが、µ'sにおけるBiBIのようなポジションを『サンシャイン!!』で占めるのがGuilty Kiss。彼女たちのとにかくオシャレなハウストラックがこちらになります(以下の試聴動画の2曲目です)。
【試聴動画】ラブライブ!サンシャイン!! ユニットシングル Guilty Kiss「Strawberry Trapper」「Guilty Night, Guilty Kiss!」
『8beat Story♪』より「Count It Down」
2016年5月にリリースされたアプリゲーム、通称エビスト。
声優ユニット8/pLanet!!(通称ハニプラ)の活動も同時展開し、ゲームとリアルの双方で積極的に仕掛けてきている印象のあるタイトルです。
数多くのアイドル曲を手がけてきた松田純一がメインテーマ曲を担当し、音楽制作はホリプロという体制で、まだリリースから半年少々しか経っていないにもかかわらず、約20曲を矢継ぎ早に発表しています。
実を言えば自分は、リリース当初に少しプレイした後、離れていたのですが、そのことを後悔したのがこの「Count It Down」です。まあ、自分はすごく単純なので、ヴォーカルをカットアップしたイントロを聴いただけで簡単に降服しました。 fazerock編曲のめちゃかっこいいトラックに対して、歌は非常に真っ直ぐでシンプルなのがエビスト、ハニプラらしさなのかなと思います。
『アイドルコネクト』より「ときめきDream-rium」
同じく2016年8月にリリースされたアプリゲーム、通称アイコネ。
なんと、11月に早くもサービス終了となってしまい、アイコネファンの自分としては不本意ながら、そのサービス期間の短さで話題となりました。現在は、ストリエというwebサービスにおいてシナリオ公開する形に移行しています。
そういうこともあり、アイコネには思い入れがあり、正直全曲推したいくらいですが、ここでは自分の推しである柚木ミユのソロ曲を選びました。非常にマイペースで独特な世界観を持ったミユですが、Aメロ、Bメロ、サビとそれぞれテンポが変わっていく曲調はそんなミユにぴったりと言えましょう。あー、イントロの「WOW WOW WOW WOW」をコールできる日は来るのだろうか。
(「ときめきDream-rium」は、以下の動画の3:12あたりからですが、全曲試聴できる動画になっているので、できれば全曲聞いてみてください!!)
アイドルコネクトCD『Feelings of girl』× 『初めまして、大好きです!』試聴動画
『アイドリッシュセブン』より「Perfection Gimmick」
2015年より、バンダイナムコオンラインよりリリースされたアプリゲーム。TVアニメ化も決まっているようです。通称はアイナナ。
今回『MIW』を作るにあたって、今まで全く触れてこなかった男性二次元アイドルの曲も聞くことになったのですが、その中で個人的に一番ピンときたのが、このアイナナでした。
実際ゲームも始めてみたのですが、シリアスな展開が連続するシナリオが面白いです。
こちらの曲は、ナナシス「SAKURA」やサンシャイン「青空Jumping Heart」を作曲した伊藤賢によるもの。元々、「SAKURA」がすごく好きだったんですが、このキラキラ感とオシャレなメロディーで、こちらも1回聞いただけではまりました。というわけで、伊藤賢、要注目作家だと思います。
「Last Dimension~引き金をひくのは誰だ~」
アイナナ曲をちゃんと聞こうと思ったきっかけは、とあるブログがこの曲を紹介していたからでした。
アイナナでは、元SOUL'D OUTのShinnosukeが複数曲手がけており、アイナナのダンス系楽曲を方向付けていますが、これもそんな一曲。トラップから80年代ディスコ、エレクトロへと至る、10年代的ハイブリッドな楽曲となっています。
TRIGGERというライバルポジションのアイドルユニットが歌っていますが、羽多野渉演じる八乙女楽のヴォーカルがパワフルです。
いかにも10年代的なハイブリッドさを感じさせるといえば、こちらの曲も挙げなければなりません。
fhanaのyuxuki waga作曲、sasakureU.K編曲とネット発クリエイター揃い踏みによる高BPMな和ロックです。
今年の『ミリオンライブ!』では、投票によってどのアイドルがどの役を演じるのかが決まるTHEATER ACTIVITIESシリーズが話題を呼びました。単に自分の推しアイドルに投票するのではなく、どの役に投票するかという戦略性が必要となる企画で、意外なキャスティングが選ばれる結果にもなりました。この曲は、仁侠ドラマに選ばれた5人のアイドルが歌っています。
【アイドルマスター ミリオンライブ!】「俠気乱舞」試聴動画
2015年はTVアニメにより話題をさらったデレマスですが、2016年はアプリゲーム『スターライトステージ』通称デレステによって引き続き二次元アイドル界を席巻していたように思えます。
デレステからは次々と新しいユニットによる新しい楽曲がリリースされていった2016年ですが、そんな中から今年の初めに実装された「Tulip」をセレクト。
というのも、こちらMONACAの石濱翔によるものだからです。MONACAは、アイマスの楽曲を多く手がけている制作会社ですが、石濱はこれまでずっと『アイカツ!』楽曲を担当する一方、アイマスへの楽曲提供はありませんでした。アイカツおじさんにはよく知られた人気のある作曲家ながら、一方アイマスPにはあまりよく知られていなかったため、両方を兼任する身としては、待望のアイマス進出でした。
ところで、この記事を書いている途中に、デレステ新曲「あんきら狂騒曲」が配信されましたが、ヒゲドライバー作詞作曲でtwitterのトレンドにもなっていました。アニソン、ゲーソン色々書いている方ですが、二次元アイドルに限っていうと、ナナシスに多く書かれているので、個人的には「ナナシスのヒゲドライバーがアイマスにも」という感じでした*1。
【楽曲試聴】「Tulip(M@STER VERSION)」(歌:速水奏、塩見周子、城ヶ崎美嘉、宮本フレデリカ、一ノ瀬志希)
「Radio Happy」
デレマスの楽曲はデレステ曲だけではありません。CINDERELLA MASTERシリーズによるソロデビュー曲も続々と増えていきましたが、ここでは、次々とヒットチューンを飛ばす井上拓によるフューチャーベース的な一曲をあげましょう。
ギャルアイドルである大槻唯によるこの曲は、タイトルにある通り、まさにハッピーで溢れています。彼女の声を演じる山下七海の舌っ足らずな歌声がまた魅力的です。
【楽曲試聴】「Radio Happy」(歌:大槻唯)
「EVERMORE」
『シンデレラガールズ』5周年記念楽曲
アイマス初のソシャゲとしてスタートしたシンデレラガールズも5周年。当時、まだソシャゲ自体が黎明期であったため、必ずしも諸手を挙げて歓迎されていたわけではありませんでしたが、この5年の間に急成長を遂げていったのは周知の通りです。
「EVERMORE」では、これまでのことを思い出しつつも、これからさらに今まで以上に活動を広げていくことを歌っています。
森由里子作詞、田中秀和と滝澤俊輔の合作による作編曲ですが、この3人はシンデレラガールズの主要な楽曲を多く手がけてきており、まさに5周年を飾るに相応しい人選です。
(公式の試聴動画がまだなかったので、どこぞの誰かがデレステMVをアップしているものを選びましたが、音量が他と比べて小さいのでご注意ください)
[デレステ]EVERMORE MV(全歌曲限定SSR 標準站位)
「Radio Happy」に引き続き井上拓による曲をもう一曲。ラジオ「アイドルマスターステーション」のテーマ曲で、「Radio Happy」とは雰囲気が一転し、ムーディでアダルト感漂うドラムンベースとなっています。ちなみに略称はカラコン。
(こちらも公式試聴動画ではなく、やや音量が小さいです)
だから今夜きみと [楽曲試聴]
「アマテラス」
ここ最近のアイマスシリーズは、765プロ本家よりも、それ以外のスピンオフ作品の活動が活発で目立っている印象がありますが、今年は本家の方からも、新作ゲーム『アイドルマスタープラチナスターズ』がリリースされました。
というわけで『プラチナスターズ』新曲からは、DLC3号で追加された「アマテラス」を。ピアノやブラスが華やかで渡辺量らしいグルーヴィーな曲となっています。
【楽曲試聴】「アマテラス(M@STER VERSION)」(歌:萩原雪歩、三浦あずさ、四条貴音、秋月律子)
渡辺量といえば、かの名曲「Dazzling World」なわけですが、それを歌った秋月涼がSideMで再デビューしたのも2016年の大きな出来事でした。
秋月涼というのは、もともと2009年にリリースされた『アイドルマスターDS』に登場し、実は男でありながら、事務所の意向等々により女性としてデビューすることになったアイドルでした。それが時を経て、『アイドルマスターSideM』において、最初から男性アイドルとして登場することができるようになったのです。
「With…STORY」は、そんな秋月涼が所属するユニットF-LAGSによる曲。「どんなプロローグもきっと意味があるよ」という歌詞が、DS時代の涼を感じさせて非常によいです。ちなみに、F-LAGSには元小説家のメンバーもいたりして、この曲が決して秋月涼のためだけの曲なのではなくて、F-LGASというユニットの曲なんだなと感じられます。(以下の試聴動画の2曲目となります)))
THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE -14 F-LAGS 試聴動画
『Wake Up, Girls!』としてのアニメ作品がない年となった2016年は、彼女達にとって試練と飛躍の年だったのかもしれません。2016年12月に開催された「Wake Up, Girls! Festa. 2016 SUPER LIVE」で、吉岡茉祐や青山吉能は2016年に不安を抱いていた旨を語っていました。
Wake Up, Girls!というのは、アニメ作品の『Wake Up, Girls!』と、声優ユニットWake Up, Girls!の両面がありまして、2016年は声優ユニットとして、いよいよ前者のアニメ作品から独立して活動する面を打ち出してきた年でもあったのかと思います。
というのも、東北イオンのCMに採用され、またTVアニメ『灼熱の卓球娘』のタイアップ曲である「僕らのフロンティア」がリリースされ、アニメ作品のWUGという枠から離れた活動が展開されていったからです。
「僕らのフロンティア」はまさに新しい世界へと飛びだそうとしていく曲で、平板な旋律で脚韻を強調していくAメロと解放感溢れるサビの対比が気持ちいいです。
Wake Up,Girls! / 僕らのフロンティア MV Short Ver.
『Tokyo 7thシスターズ』より「SEVENTH HAVEN」
以前より音楽面での評価の高いナナシスこと『Tokyo 7thシスターズ』ですが、2016年は、kz(livetune)によるハードなEDMサウンドを響かせた「SEVENTH HAVEN」から始まりました。この曲は、ナナシス支配人たちを興奮させただけでなく、2016年におけるアニクラアンセムになっていたのではないでしょうか。
この曲を歌うセブンスシスターズは、アイドルテロリスト七咲ニコルに率いられ、2032年にはアイドル文化にいっときの終焉をもたらしたことになっているアイドルグループです。アイドルとしての既成概念を壊せと、高らかに宣言し、2016年のナナシスは始まったのでした。
【Tokyo 7th シスターズ】セブンスシスターズ 「SEVENTH HAVEN」MUSIC VIDEO
「Winning Day」
2016年のナナシスを振り返ると、夏にあった2ndライブは、MCを極限まで削ぎ落とし、音楽に熱狂させることを徹底したセットリストを組んでいました。声優によるライブというと、歌やダンスももちろんだけれど、MCによるトークも面白いよねというこちらの既成概念を攻められた感じでした。
さらに、ロックバンドユニットThe QUEEN of PURPLEをデビューさせ、アイドルらしからぬラウドロック「TRIGGER」と「Fire and Rose」を送り出しました。これらもめっちゃかっこいいので20選に入れるかどうか迷ったのですが……。
そんなナナシスの2016年を締めくくるのに相応しいのが、こちらの「Winning Day」です。これを歌うKARAKURIは、作中においてアイドルではなくアーティストという位置付けなのですが、その名に恥じぬ本格的R&B。KARAKURIの声優である秋奈の歌唱力がこれでもかと発揮されています。
(発表時期の都合上、『MIW』本誌の楽曲リストには未収録です)
【Tokyo 7th シスターズ】KARAKURI / 4U New EP「Winning Day / Lucky☆Lucky」Trailer
2015年にリリースされた男性二次元アイドルタイトルの中で、今最も勢いのある『あんさんぶるスターズ!』
例えばpixivの登録数を見ると、二次創作の活発さは一目瞭然です。また、2016年6月には舞台化、2017年にはアニメ化とメディアミックス展開も続々進行中です。
2016年の9月からは、ユニットCDシリーズの第2弾がスタートし、参加作曲家陣の豪華さも関心を集めていますが、その中でも特に話題となったのがこの「魅惑劇」でしょう。ALI PROJECTの宝野アリカ作詞、片倉三起也作曲ということで、普段あんスタに触れていない層にまでリーチしていた印象があります。
この歌を歌うValkyrieというユニットはスチームパンク風の意匠で、メンバーの1人は人形師とあだ名されているらしいので、ALI PROJECT楽曲との相性もよさそうです。
(こちらも発表時期の都合上、『MIW』本誌の楽曲リストには未収録です)
あんさんぶるスターズ!ユニットソングCD第2弾 vol.07 Valkyrie 試聴動画
というわけで、2016年二次元アイドル楽曲20選をお送りしました。
2016年は、他に『プリパラ』『B-PROJECT』『ツキウタ。』『アイドルメモリーズ』、そして『うたの☆プリンスさまっ♪』のアニメが放映されていたのですが、僕が未視聴ということもあり、選外とさせていただきました。また、2016年リリースのアプリゲームとしては『アイドル事変』もありますが、こちらもまた1回触っただけで基本的に未プレイなので選べませんでした。
二次元アイドル多すぎっ!
そういう悲鳴をあげている方は、僕以外にも多いと思うのですが、『MIW』はそうした方に向けて書かれています。
完全網羅とはいきませんが、かなり広範囲をカバーしていますので、二次元アイドル音楽事情を整理するのに是非、手にとっていただけたらと思います。
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