プリズムの煌めきの向こう側へ

二次元アイドル・アニメ・声優あたりの話題中心で、主に備忘用のメモ

『バビロン・ベルリン』シーズン1・『フォー・オール・マンカインド』シーズン1

バビロン・ベルリン

とりあえず、シーズン1の全8話を見終わった。見てる途中から、「いや、これ8話で終わらんだろ」と思ってたけど、案の定8話では終わらなかった。このまま引き続きシーズン2を見ていく。
1929年のベルリンを舞台に、複数の事件が同時並行的に進んでいく刑事もの。
主人公のゲレオン・ラート警部は、ケルンからベルリンの風紀課に異動してきた刑事。第1次世界大戦に従軍した際のPTSDを患っている。
ゲレオンは、ポルノフィルムの捜査を行うが、実は、ケルン市長*1から自分のスキャンダルとなるフィルムを発見し処分してほしいという依頼を密かに受けていた。
風紀課のヴォルター上級警部は、自分の新たな部下であるゲレオンが、何か自分に隠し事をしているのに気付いている。この上級警部は、ゲレオンに下宿を手配したりする一方で、ゲレオンの秘密を探ろうともしている。闇風俗営業を袖の下もらって黙認していたり、右翼系秘密結社の一員だったりして、明らかにいい奴ではないのだが、かといって、悪人であったり敵であったりするのかというとそれもまた微妙な案配の登場人物である。
ゲレオンのポルノフィルム捜査がメインストーリーかと思ったら、実はそうではなくて、シーズン1ではわりとこの話は背景にゆっくり進むに過ぎない。
物語の冒頭で、ソ連からの密輸列車が登場する。「赤い砦」というベルリンのトロツキストたちが、ロシア貴族の金塊をイスタンブールにいるトロツキーのもとへ届けようとしている。しかし、それがソ連の秘密警察にばれてしまい、「赤い砦」は壊滅する。
実は、ゲレオンが住むことになった下宿の前の住人が、赤い砦のメンバーの1人であるカルダコフで、カルダコフの仲間がソ連の秘密警察に連行されるところを、たまたまゲレオンは目撃してしまう。
本作は、ゲレオンの他に、シャルロッテというもう1人の主人公がいる。
彼女は、昼は日雇いの警察事務の仕事をして、夜は「モカ・エフティ」というナイトクラブで娼婦をしているが、刑事になりたいと思っている。ひょんなことから、ゲレオンと知り合いになり、さらにロシア人の遺体と関わり、ゲレオンとともにこのロシア人殺人事件の捜査を勝手に始めるようになる。
シーズン1は、どちらかといえばこの話が主軸となって進んでいく。
カルダコフには、男装の歌手であるスウェトラーナという愛人がいるのだが、彼女は実はソ連側のスパイ。他方で、鉄鋼会社の御曹司であるニッセンともつながりをもっている。彼女が後ろで糸を引いている存在である。
それとは別に、メーデー共産党のデモが起きた際に警察が武力弾圧を行う事件が起きる。取り締まりに同行していたゲレオンとヴァルターは、武装警察が無辜の市民を誤射する現場に居合わせるのだが、共産党員が警察を撃ったというでっちあげの報告書を書かされることになる。
そんなわけで、トロツキストたちの陰謀とソ連スパイの暗躍、共産党と警察の対立といった左翼側の話がある一方で、先ほど述べたように、右翼の秘密結社も登場する。いわゆる「黒い国防軍」で、ヴァルターだけでなく、先のニッセンもメンバーの1人である。トロツキストたちが金塊を密輸しようとした列車は、実は、彼らが毒ガスを密輸しようとした列車でもあった。彼らはシュトレーゼマン暗殺も計画しているらしい。なお、ゲレオンも勧誘されている。
1920年代後半のベルリンで過激化していった右翼・左翼を背景にしているわけだが、それに加えて、「モカ・エフティ」をはじめとした、戦間期ベルリンの風俗も描かれている。
スウェトラーナが歌う「Zu Asche zu,Staub(灰へ、塵へ)」という曲が、このドラマ自体のテーマソングにもなっているのだが、ジェズ・エイジの音楽に退廃的な歌詞がのった、かなり印象に残るよい曲である。
シャルロッテが夜に娼婦をやっていたり、ゲレオンの捜査するポルノフィルムだったりと、いわゆる性風俗も描かれるが、ジャズバンドの音楽でクラブで踊り狂いまくる人々、とかが単純に見ていて楽しい。男装の歌手だけでなく、女装者とかも出てくる。
普段は無愛想で真面目な感じのゲレオンくんも、時々、クラブで羽目を外してはじけまくるシーンがあったりして楽しい。
でもって、この「モカ・エフティ」の支配人である犯罪組織のボスがいるのだけど、この人は一方で、シェル・ショックを研究している精神分析医とつながりがあったり、謎の神父みたいな人がいたりとか、なんかある。
ゲレオンくんの個人的なストーリーとしては、一緒に従軍した兄が前線で生死不明になっており、他方で、義姉(兄の妻)と長年不倫関係にある、というのがあったりする。
あと、警察のトップで行政長官という人がでてくる。彼とは別に警視総監もいて、警視総監と行政長官との関係はよくわからない。行政長官も捜査現場にきたり取り調べをしたりしてるので、警察官ではあるっぽい。民主主義を守るため、黒い国防軍の摘発を目指していて、ニッセン逮捕の指揮をとった。
いい人っぽいんだけど、それ故に、どこかで失脚させられるか、殺されるかするんじゃないか、見ていてひやひやしている。
シャルロッテが児童疎開していた頃の友人とベルリンで再会するのだけど、シャルロッテは彼女のために、この行政長官の家の住み込みメイドの仕事を見つけてくる。彼女は仕事を得られただけで嬉しいという状態なのだけど、行政長官の奥さんは厳しめの人だし、家政婦は見たじゃないけど、機密事項の話が漏れ聞こえてきたりもするし、なんか微妙に怪しげな男と付き合い始めたりするしで、このロッテの友人もこの後どうなるか心配といえば心配。
エンディングの映像が抽象アニメーションだが、オスカー・フィッシンガーがまさにこの時代か
オープニングの鏡を使った映像もいかにもダダの前衛映画にありそう

フォー・オール・マンカインド

アメリカより先にソ連が月面着陸したら、という歴史改変宇宙開発ドラマ
面白くないわけがない
宇宙開発SFなんだけど、女性の社会進出についてのドラマでもある
それにしても人がよく死ぬな。まあ、宇宙開発してるんだから、人は死ぬよなと思いつつ、宇宙開発とは全然関係ない人死にもあった……
シーズン1は大きく前半と後半に分けられる。
前半は、1969年の物語で、ソ連に月面着陸を先に越されたところから始まって、アポロ15号が月に氷を見つけるところまで。ソ連は人類初の月面着陸だけでなく、女性初の月面着陸も行う。このため、アメリカでも女性宇宙飛行士を月に着陸させるように、という大統領からの命が下り、急遽、女性を宇宙飛行士にするための選抜や訓練が始まる。
後半は、1974年の物語で、月南極のシャクルトン・クレーター沿いに、アメリカとソ連の両方が月面基地の運用をすでに開始しているところから始まる。ちなみに、アメリカの月面基地は、サターン5型ロケットの第3段を利用していて、つまり、史実であればスカイラブ宇宙ステーションになったはずのもの。
なお、女性が宇宙飛行士になったことがきっかけで、史実では成立しなかった平等権修正条項(ERA)が成立していたり、あるいは、ロバート・ケネディが大統領になっていたりする。
で、物語としては、月面基地への交代要員を送るアポロ23号を乗せたサターン5が、打ち上げ直前に爆発炎上してしまい、月面基地の長期滞在を余儀なくされる話となっている


群像劇となっていて、複数の物語が同時並行的に走るので、以下、登場人物ごとにまとめてみたい。

宇宙飛行士(男性)

本作の主人公の一人。元海軍のパイロットで海軍時代は朝鮮戦争に従軍していた。
ザ・白人男性、ザ・軍人みたいな人で、部下や息子に厳しめの口調で怒ったりもするのだけど、わりと、ショボンとしたりするところもあったりして、視聴者的には憎めないところはある。
アポロ10号、15号で船長を務めている。10号では月面を間近にしながらも着陸しなかった。それはもちろんもともとそういう計画だったからだが、それにより、ソ連に先を越されてしまった。酒場で管を巻いていたら、ブンヤに言質とられてしまって、というところから物語は始まる。
女性宇宙飛行士の訓練も行う。
15号では、モリー・コッブとともに月の氷を探す。
1974年の物語では、ジェームズタウン月面基地で指揮官となっている。予期せぬ長期滞在が始まり、さらには単独での月面滞在を行うことになる。ソ連の動向を常に警戒しているのだが、物語の最後でソ連のコスモノートと思わぬ接触をすることになる。

  • ゴードー

海軍時代からのエドの友人
エドと違って、いつもニコニコしているというか、デフォルトの表情が笑っている顔で、どちらかといえば3枚目ポジションの人
妻が女性宇宙飛行士候補に選ばれ、それを応援している。実際それは本心なのだろうけど、現実に彼女が訓練で家を空けるようになると、戸惑ったりもしている。
また、15号の際、初の女性飛行士を月に飛ばすため、ミッションから外された。
1974年では、エド、ダニエルとともにジェームズタウン基地での長期滞在を余儀無くされるが、妻との関係がギクシャクしたこともあって、次第にノイローゼ気味となる。
1人で月面を散歩したり、基地で繰り返し視聴してるコメディドラマを暗記したりしている。このあたりの行動は、ゴードーのパーソナリティ的に、エドたちにも視聴者にも、正常なのか異常なのか区別がつきにくく、閉鎖空間でじわじわと追い込まれていく描写になっている(上で「いつもニコニコしているというか、デフォルトの表情が笑っている顔」と書いたがそれが効いている)。
人類そのものが宇宙ステーションでの長期宇宙滞在のノウハウ蓄積せずに、月面基地滞在やってるのなかなか大変だなと思った。
あと、月面基地の他にクレーターに降りるようなウィンチなどもあって、輸送どれくらいかかったんだろうな、とも。
無人機での輸送も活発化してるみたい(交代要員がくるまで補給は無人機で行っていた)。

女性宇宙飛行士

  • トレイシー

ゴードーの妻。飛行機の免許を持っていて、それが縁でゴードーと知り合った。女性宇宙飛行士候補をNASAが探している際、その当時の新聞記事を誰かが見て候補に加えた。
実力による登用ではなく、大統領(当時はニクソン)受けのための候補だったし、宇宙飛行士夫婦というのが大衆受けするだろうという目算もあった
そんなわけで、後述するモリーからも当初は疎ましがれ、本人もいっとき自信喪失するが、しかし最終的には正式に宇宙飛行士に任命される。
アポロ24号の救出ミッションとして急遽打ち上げることになった25号で初宇宙飛行を果たす。
物語の序盤で、ゴードーが浮気していたことを察知して以来、ゴードーのことを全面的には信頼しなくなっている。が、その後も結婚生活は維持され、一応和解はしているので、ゴードー本人はそのことにあまり気付いていない節がある。ジェームズタウン基地で、ゴードーが精神不安に陥った理由の一端はここにある。

女性宇宙飛行士の筆頭。マーキュリー13の1人であり、実在の人物ジェリー・コッブがモデルとなっている。
元々、アメリカ初の宇宙飛行士計画であるマーキュリーに選ばれた宇宙飛行士をマーキュリー7と呼ぶが、同じ選抜試験(ただし非公式)を受けて合格した女性たちがいて「マーキュリー13」と呼ばれた。
急遽湧き上がったアポロへの女性宇宙飛行士選抜に、筆頭候補として選ばれたが、コッブ本人は当初、これもまた茶番で終わるだろうと見なしていた。
宇宙飛行士候補として選ばれた中では、唯一、現役パイロットをしていた女性でもあった。免許は持っていても、パイロットを職業にすることができた女性はほとんど皆無であり、その点でコッブは、かなり特殊な女性ではあった。
日に焼けた肌で、歯に衣着せぬ軽口をたたき、また、女性宇宙飛行士選抜に対しても斜に構えた態度を崩さない。しかし、選抜試験についてはほぼ全てでトップの成績を収めた。
優秀には違いないが、とはいえ、実際に宇宙飛行士になり、15号にアサインされると、その彼女も能力的に至らない点があるところが出てくる(トレイシーがミスったのをコッブがdisったのの類比として描かれている感じがあった)。
やはり女性でNASA内で奮闘するマーゴから叱咤されて、「私はただのパイロットだ」と思わず口走るが、マーゴに「あなたは宇宙飛行士」と返されて、態度を改める。
女性宇宙飛行士候補としては、コッブ以外にもう1人マーキュリー13組がいて、コッブと1位争いをしていたのが、選抜中に事故死している。
ところで、アメリカの宇宙飛行士は原則として軍のパイロットから起用していて、当時、女性の軍人パイロットがいないために、女性の宇宙飛行士も見送られたという経緯があって、さらに軍人パイロットかどうかで、ジェット機の経験があるか否かの違いがあるようだった。女性宇宙飛行士候補たちは、少なくとも航空機の免許を持っていることが最低条件だったが、みなジェット機搭乗経験はなく、選抜の過程で初めてジェット機に乗れて、喜んでいる描写がある。
コッブは、アポロ15号でアメリカ初の女性宇宙飛行士かつアメリカ初の女性月面着陸を果たし、さらにはクレーター内で氷を発見した。
また、アポロ24号の制御コンピュータを交換するというミッションのため、25号で船長を務めたが、さらなる事故が発生して、しばし宇宙空間を漂流した。
いずれも命を危険に晒してのミッション遂行であったが、女性宇宙飛行士の中で誰よりも(場合によっては男性宇宙飛行士よりも)、この職業がいつ死んでもおかしくないものである、という認識と覚悟を持っているといえる。

  • ダニエル

女性宇宙飛行の1人であり、また、黒人でもある。夫はベトナム帰還兵。
18号にアサインされて、ゴードーとともに月へ行った(直接ドラマ内での描写はなし)。
ジェームズタウン宇宙基地で、エド、ゴードーとともに長期滞在し、ゴードーを助けた。

エレン
女性宇宙飛行の1人であり、同性愛者。
バー・アウトポストのバーテンダーであるパムが恋人である。
アウトポストというのは、NASAの宇宙飛行士や職員御用達の店であるが、女性(というか、宇宙飛行士の妻・家族)は来店しないことが暗黙のルールであった。
コッブやダニエルは、宇宙飛行士になるまでは、社会的・経済的にはあまり恵まれない立場にいた(トレイシーは宇宙飛行士の妻なので別格)のに対して、エレンは、航空産業経営者の娘で、経済的には恵まれていた。
ダニエルが女性かつ黒人であるように、エレンは女性かつ同性愛者という形で、マイノリティポジションとして描かれている。
(他に男性ではあるがアジア系の宇宙飛行士が登場した際に、「性別や肌の色で決まるのさ」と悪態をついている人が出てくるシーンがあり、ハリウッドなどのポリティカル・コレクトネスも意識しているのだろうと思う)
彼女は同性愛者であることを隠すために、NASAの職員であるラリーとの恋愛関係を偽装している(ラリーも同性愛者)。
23号を乗せたサターン5ロケットの爆発事故が起こり、FBIが調査に乗り出してくる。NASA内部ではこれは純粋な事故だと見なされていたが、FBIはこれをソ連による破壊工作としてみて捜査しており、その際に怪しまれたのが、他ならぬ同性愛者であった。
ラリーやエレン(そして、後述するオクタビオ)は理不尽な取り調べを受けることになる。
24号に搭乗し、ディークとともに宇宙空間を彷徨する。ディークとの会話は、本作を象徴しているように思える(ディークによる女性宇宙飛行士起用は、この世界における女性の社会進出を後押ししたのであり、エレンは自分の同性愛についてもディークが理解してくれるのではないだろうかと一抹の希望を抱くが、実際のところ、ディークは決して女性の社会進出という意義のためにそのようなことをしていたわけではないし、同性愛者への認識も当時の一般的な偏見を共有していた。ディークにできる歩み寄りは、キャリアを傷つけるから同性愛のことは二度と口にするな、というだけであった)

NASA職員

言わずとしれた実在のロケット技術者その人である。
この当時既に結構なお年である。
間接的には、ソ連に先を越されたことの責任で、直接的には、ナチスへの戦争協力の咎でNASAを追放される。ここで、間接的・直接的と書いたのは、そもそもエドの不用意な発言でフォン・ブラウンのせいで遅れたという議論が巻き起こり、しかし、その後エドが発言を撤回したので、それまで不問に付してきたナチスの件を、ここで急に掘り返してきた、という経緯のため。
史実のフォン・ブラウンがどうだったのかは知らないが、本作では、強制労働についてわかっててやったように描かれている(直接認めてはいないが、まあそこで反応に窮するということは、ある程度分かってたんでしょうね的にとれるように描いている)。
アメリカ政府は、明らかに知ってただろうけど、利用価値があるからそれまで持ち出してこなかったわけで、フォン・ブラウンにも悪いところはあるが、アメリカ政府も勝手だなというように見える展開ではあるのだが、後述するフォン・ブラウンの教え子であるマーゴとの関係は、この件で決定的に悪化する。

  • マーゴ

NASAの女性エンジニアにして、フォン・ブラウンの教え子。
エドにならぶ本作の主人公の1人。
フォン・ブラウンがハンツヴィルにいた頃、フォン・ブラウンが懇意にしていた隣家の住人の娘。
フォン・ブラウンの後ろ盾もあって、女性としては初めて管制室メンバーになる。
しかし、数学や物理学の才能はあるが、人付き合いやリーダーシップという点では難があり、その後の出世は止まっていた。
女性宇宙飛行士たちとはまた別のキャリアで、女性の社会進出を象徴する存在として描かれてはいる。
23号事故が起きた際、フォン・ブラウンによる事故報告書をネタに、フライト・ディレクターの座をもぎ取る。マーゴは、フォン・ブラウンナチス協力を嫌悪し続けているし、事故の真相も公表すべきだと考えるが、しかし、最終的に黙っていることの見返りとして、NASA長官を脅す形で、フライト・ディレクターになっており、単純に、善性の主人公というわけではないことが描かれている。
管制中に難問につきあたると、めちゃくちゃキャンディを食べる。
24号・25号の危機では難しい決断をなんども強いられながら、解決へと導く。このあたりも、マーゴは必ずしも自分で正解を引けたわけではなく、コッブやゴードーによるサジェストによるところが大きいのだが、むしろ、一匹狼的なタイプであったマーゴが、チームプレイできるようになっていった過程として描かれていたのだと思う。

  • ディーク・スレイントン

NASAの宇宙飛行室長。実在の人物で、マーキュリー7の1人だった。心房細動のリスクを指摘され、宇宙飛行することはかなわず、宇宙飛行室長となった。
アポロ計画で、宇宙飛行士をアサインする責任者。昔気質の頑固者、として描かれている。
女性宇宙飛行士選抜計画では難色を示すが、最後、政治的理由で再びご破算になりかけたところ、それを無視して女性宇宙飛行士を決定する。
医療上のリスクが解消したため、24号に自らをアサインした。

アポロのフライト・ディレクター
のちにセンター長に出世するが、ロケット爆発事故に巻き込まれ死亡
シーズン1の前半は、ディークとジーンがNASAの中間管理職ポジションとして活躍していた。

宇宙飛行士の家族

  • カレン
  • シェーン

エドの妻と息子
カレンは、夫の留守を守る軍人の妻という感じ。
トレイシーをはじめとして女性が宇宙飛行士候補となった際には、夫以上に反発した(というか、エドやゴードーは表向きは女性宇宙飛行士に反発していない)。
トレイシーが実際に宇宙飛行士になった際には、彼女の息子の面倒を一緒にみるなどしていた(もともと、専業主婦であることを前提にしていたはずのゴードーの家で、夫婦共働きしかも両方激務になった際に、しかし、育児がまわったのは完全にカレンのおかげである)。
トレイシーとカレンは特に互いに親しい様子だが、この宇宙飛行士の妻たちのつながり、というのがかなり強固なものとして描かれている。
かつての共同体というのはこういうものであったのだろうとも思うが、かなり頻繁に互いの家を行き来している。同調圧力的なものも強いのだろうが、相互扶助の側面も強いのだろうなと思わせる。
シェーンは成長とともに反抗期になり、一方ではスポーツやらで優秀な面を見せるが、他方で学校から呼び出しを食らうレベルの悪戯を多くするようになる。
そのシェーンが事故にあった際、トレイシーをはじめとして、宇宙飛行士の妻たちによる助けが描かれるのだが、一方で、カレンは、そうした彼女たちとの関係を空虚に感じはじめる。

  • ウェイン・コッブ

モリーの夫
宇宙飛行士の家族は、ロケットの打ち上げ見学で集まったり、その後はテレビ中継を家に集まって見たりしているのだが、明らかにその場にそぐわない、ヒッピー風の髭のおっさんが現れる。
宇宙飛行士というのはみな、軍パイロット出身で、要するに軍のエリートであり高給取りであり、その妻たちというのも明らかに「勝ち組」なのだが、コッブ夫妻は、モリーはそれまで雇われパイロットとして職場を転々としていたし、ウェインは、サイケデリックな画風の画家・イラストレーターであり、ボヘミアンないしヒッピーな人たちなので、全然雰囲気が違うのである。
エドモリーは15号で同乗したので、必然的に、カレンとウェインも言葉を交わすようになるのだが、明らかにカレンは当初警戒している。
のみならず、ウェインは自分の妻が死んでしまう恐怖を赤裸々に吐露したため、また、ウェインはマリファナもやっているので、カレンからは露骨に嫌がられる。
しかし、ウェインはわりとどこ吹く風というか、あまり気にしていなくて、カレンも心を開くようになる。
カレンもやはりエドが亡くなる恐怖は抱えており、ウェイン同様、エドが死ぬ夢を見ることをウェインに告白すると、ウェインはその夢をそのままどぎつい絵にして持ってきていて、視聴者的にも「こいつヤベーな」とは思うのだが、しかし、カレンはその後、その絵をちゃんと残している。
で、シェーンの事故で、いわゆる奥様であることに空虚さや疑問を覚え始めたカレンは、ウェインのところにいって、自分らしく生きるとはどういうことか考え始める。
でもってカレンはアウトポストにいってパムと知り合って、と物語は動いていく。

メキシコ人

  • アレイダ・ロサレス
  • オクタビオ・ロサレス

メキシコからアメリカへ亡命してきたメキシコ人親子。父親のオクタビオNASAで清掃の仕事をするようになる。移住直後、明らかに精神的に不安定だったアレイダに、NASAのゴミ箱に捨ててあった書類やらをお土産として持ち帰る。
アレイダは次第に宇宙の仕事に憧れを持つようになる。
NASAの建物内で数学の宿題をしているのをマーゴに見つかり、マーゴに勉強を見てもらうようになり、数学の才能を垣間見せ始める。
アレイダの物語は、シーズン1ではまだまだ端緒に就いたばかりという感じで、今後のシーズンで主人公になっていくのかなあとは思わせるが、まだよく分からない。


ARキットみたいなのがオマケについていてちょっと楽しい。ロケットや宇宙船、月面基地、宇宙服をぐるぐる回して眺めることができる。

*1:Wikipedia読んで知ったのだが、アデナウアーらしい