プリズムの煌めきの向こう側へ

二次元アイドル・アニメ・声優あたりの話題中心で、主に備忘用のメモ

メダリスト9巻(の感想と思わせて個人的な話)

金メダルを狙うことと表彰台を狙うことの間の深い溝が……

 

思いっきり9巻のネタバレをしますけども、
いのりは、光に勝負を仕掛け金メダルを狙いにいくが、結果として失敗する。最後のジャンプを3Aにしなければ、基礎点が光に届かないが、完成度の低い3Aが結局完成度が低いままだったので、表彰台すら逃してしまう。
完成度の高いジャンプを飛んでいれば、光には決して勝てないものの表彰台はおそらくとれていただろう、と他のキャラクターが述べているわけで*1、ここに金メダルを狙うことと表彰台を狙うことの差異が浮き彫りになる。金メダルを狙わなければ表彰台は取れていた可能性が高いが、その戦い方をすると金メダルは取れなくなる、と。


ところで、メダリストでは何度か「スケーティング練習、ダルい」というセリフが出てくる。
いのりは、丁寧なスケーティングが武器なのだが、これは、ノービス(12歳以下)の選手たちにとってスケーティング練習が「ダル」くて、そこに技量差が生まれているということである。
9巻には、露骨に、ノービスの選手はジャンプばかりやってスケーティングをやらないから嫌いだ、と宣う人物まで出てくるが、以前の巻で、子どものモチベーション管理のためにはジャンプをスケーティングより重視するのは大事、というフォローもなされている。
さて、自分はスケートについてはほとんどよく知らないのだが、子どもの頃にスキーであれば結構な時間をかけて練習してきた(ただし、選手とかそういうのではない)。
スキーには、ジュニア検定というのがあるのだけど、あの中にジャンプという項目があるんだよなー。ジュニア検定のためのジャンプ練習は、その後のスキー人生を楽しむために役に立ったと思うが、スキー技能として必須かと言われると若干謎い。まあ、さすがに子どものモチベーションのためだけに検定項目を定めているとも思えないので、技能として取り入れるべき理由もなんかあるんだろうけれど、しかしまあ、子どもたちはあのジャンプの練習が基本的には好きだったように思う(まあ、人によるが)。
もっとも、ジュニア検定は、滑降も(一般的なスキー技能検定と違って)技術ではなくスピードで合否が決まるので、必ずしも技能はみていないのかもしれない(考えてみればジュニア検定は、たかだが5日間のスキースクールの修了テストみたいなもんで、かなり大人数の子どもたちを短期間で見ていかないといけないので、機械的に判定できるスピードとか距離とかで判定できるようにしているのだろう)(ただ、スキーにおける技能とは究極スピードコントロールなのだから、ある程度スピードが出せることは技能を有してることの間接的な証明にはなりうる)。
で、ジュニア検定の中には、八の字滑走という、平地でスケーティングする項目もあるのだけど、これは結構子どもにとって地獄なのである。スケートのスケーティングと違って、これまた丁寧に滑るとかじゃなくて、がむしゃらにスピード勝負なので、体力的にきついんだが。ただし、これはかなり後のスキー人生にとっては役に立つ(と思う)。
何の話だったか。
「スケーティング練習、ダルい」のダルさの質が違うようには思うが、「スケーティング練習、ダルい」という言葉対して、一定の共感を自分も持ち合わせているし、また、ジャンプは子どものモチベーション管理にとって重要、というのも自分の実感としてわりとわかるところである、という話。


ステップシークエンスについて、事細かな規定があって云々という話が9巻にあった。
右回りか左回りかも指定されている、という話。
ところで、これまたスキーの話になるが、スロープスタイルハーフパイプも似たような演技規定があったような気がする。まあ、あれらはジャンプ技だけど、やはり右回りやったら、次は左回りやらないといけないとか、なんかそういうルールがあったような気がする。ルールブック読んだことなくて、五輪の実況・解説でなんかそういうことを言っていたような気がするなあという曖昧な知識だけど。

*1:しかしこの、完成度の高いジャンプを飛ぶか、高順位のために賭けに出るかは人によって価値観が割れるところで、いのりの演技前に、自分ならどうするかという会話がなされていたりする