プリズムの煌めきの向こう側へ

二次元アイドル・アニメ・声優あたりの話題中心で、主に備忘用のメモ

『メダリスト』

8巻(今のところ最新刊。今月9巻がでるのか?)まで読んだ
以前、下記のような感想を書いた

3巻まで読んだ。意外とコミカルだったなという印象。
読み始めたマンガ - プリズムの煌めきの向こう側へ

これは、主人公いのりさんのミミズ好きなあたりとか、すずのかわいい泥棒とか、そのあたりのインパクトが強かったためだと思う。


しかしまあ、当たり前だけど、本作の面白さのメインはそこではなく
まず、フィギュアスケートって全然見たことがなくてどういう競技がほどんと知らなかったのだけど、フィギュアスケート自体の面白さがある。というか、カードゲームに喩えて説明されていてわかりやすい。
それから何より、スポーツを題材にした作品だが、選手だけが主人公ではなく、コーチとのバディもの、W主人公ものとなっている点。
フィギュアスケートが非常に戦略性の高い競技で、それは、一つの試合でどのような構成を組むかというレベルから、1年間、大会や出場資格を得るためのバッジテストのために、どういう練習をしていくかというレベルまである(もっといえば、最終的にどのような選手になりたいかというビジョンを選手とコーチの間で共有できるか)。そのために、コーチの存在が非常に重要となっている。
そして、本作の場合、選手であるいのりとコーチである司は、ともにフィギュアスケートをするには出遅れた、という同じハンデを背負っている(いた)者同士であり、司についていえば、いのりのコーチになることでスケートの世界への関わりを再起動することができたという面があり、いのりだけでなく司についても精神的成長が描かれていくことになる。
さらに、この「出遅れた」という面は、いのりに強いメンタルをもたらしている。
彼女が絶対に勝つということを宣言するたびに、その強い覚悟にしびれる。
そして、その覚悟をロジカルに支えるのが司の役割となる。
思いの強さでジャンプが飛べるようになるわけではない、と諭すシーンがある。ただがむしゃらに練習すればいいわけではない。練習量を増やしすぎるとシンスプリントのリスクもある。そのためには、何を選んで何を捨てるかというチョイスが必要になってきて、そのためにはそれぞれの選択の理由を理解しておく必要がある。
小学6年生というのはその意味で適切な年齢でかもしれなくて、理詰めでも身体を動かすことができるんだろうと思う。