プリズムの煌めきの向こう側へ

二次元アイドル・アニメ・声優あたりの話題中心で、主に備忘用のメモ

2023春アニメ

このタイトルで記事立てるの久しぶりだなー

 

【推しの子】

かなーり前に、twitterで1話無料で流れていたのを読んだのだけど、その時はnot for meかなーと思って流していた。

だが、アニメ化が決まった際、実は妻が原作ファンだったことが分かり、見始めることになり、見てみたら面白かった。

妻曰く、最初の方はさくさく進めてしまった方がいいので、アニメ1話の時間枠拡大した構成は大正解(意訳)(その後についても原作ファンとしてアニメにかなり信頼を置いている感じである)とのことだったが、実際その通りだったと思う。

冒頭の展開は、「今死んだら○○(結婚や妊娠が分かったアイドル)の子に生まれ変われるのでは」という、オタクの露悪的なクリシェを実現するような感じなので、インパクトはありつつも引いてしまう(のがまさに初めて原作1話を読んで流してしまった理由)のだが、アニメで1話になっている部分を全て見ると、本作の大枠が、復讐譚であることが分かり、かなり飲み込みやすくなった。

復讐のために芸能界を成り上がっていく、という大きなストーリーがあり、そのために主人公が個々の芸能のお仕事をやっていくという個別のストーリーが展開される。この個別のストーリーが、お仕事もの・青春部活もの的な面白さで組み上がっていて面白く、なおかつ、その中で主人公は復讐という暗い動機で動くダークヒーロー的なテイストが加わるので、まあそりゃ面白いよね、というところになる。

しかし、その面白さを感じれば感じるほど、生まれ変わり設定をどう飲み込めばいいのか、というのは個人的には思ってしまうところ。

いや、物語上の設定を逆算していくと、生まれ変わり設定に必然性があるのは分かる(アクアに、3才頃の記憶がちゃんとあることや能力の高さなど。まだ話が展開していないので分からないが、今後は前世関係の物語も絡んではくるのだろう(ゴローを刺した犯人とも繋がってくるので))。

ただ、芸能界での復讐譚という大枠だけであれば、アクアが超天才児とかでも成立はしたはず。というか、生まれ変わり以降の物語世界は、超常現象が起きるような世界ではないので、生まれ変わりという超常現象だけが浮いているように感じてしまう。

(いわゆる転生ものを自分があまり見てきていないので違和感を覚えるというのもあるかもしれないが、しかし、ファンタジー世界に生まれ変わるような話は特段違和感を覚えないと思う)

つまり、なまじ芸能界お仕事ものとしての「リアルさ」に面白さの肝(の一つ)があるので、生まれ変わりという「ファンタジー」とどうやって整合性をつけていくのか、というのが気にかかってしまうのである。

もっとも、アクアとルビーの兄妹が、二重の秘密を抱えているというのは、物語上の面白さでもあるとは思う。つまり、アイの子であるという秘密と、前世の記憶をもつという秘密の2つの秘密。前者については一部の人間には共有されているが、一方、後者は完全に兄妹間だけの秘密(さらに前世が誰であったかは完全に本人だけの秘密)である。前者は暴露される可能性のある秘密だが、さらにその背後に暴露しようがない(証明しようのない)秘密が隠されていて、それが彼らのモチベーション形成の核になっていて、物語をドライブさせている。

一方、ルビーについてはしかし、さりなという前世よりもアイの子であるということがアイデンティティになりつつあるのではないかという感じがする(さりなであった時間よりも、ルビーである時間の方が長いはずだし、より濃密な経験もしているだろうし)。さりなであったことは、彼女のモチベーション形成の核であるのは間違いないが、アイのことを「ママ」と呼んでいる点など、ルビーとして生きようとしている感じはある。

対して、アクアについていえば、アクアであると同時にゴローでもあり続けている。アイのことを「アイ」と呼び続けていることにそれは現れているだろうし、また、ルビーと違って、アクアは、ゴロー時代に培ったリソース(30台の医者となるまでの経験)も使って生きている点からも、ゴローであることを切り離しがたいはずである。

そもそも、アクア=ゴローとアイとの関係はなかなか複雑である。ルビー=さりなにとってアイは、前世では推しで現世では母親で、いずれにしても憧れの対象である点は変わりない。一方、ゴローがアイのファンになった理由は、まず最初は自分の患者であるさりながアイのファンだったからであり、その後は純粋に(?)ドルオタになっていたようだが、その後、アイはゴローの患者ともなった。ファンとして憧れの対象でもあると同時に、医者として守るべき対象ともなり、そして、アクアとして生まれ変わったことで、子として愛し愛される対象ともなった。そういった複雑な関係の中で、あの深い復讐心が生じている。

だから、アクアの動機形成という意味で、生まれ変わり設定の必然性はないわけではないし、物語の面白さに一役買っていることは確かだ。がしかし、「アクアって中身おっさんなんだよなー」というある種の気味の悪さがどうしても絶えずつきまとってしまう。

おっさんが悪いわけではない。しかし、【推しの子】のストーリーの大半は、アクアが天才美少年であれば成立する。確かに、生まれ変わりであることが効いている部分もあるわけだが、まあしかし、大半のシーンはそれがなくても成り立っている。成り立っているがゆえに、「じゃあ純粋に天才美少年でもよかったのでは」というモヤモヤが残るというか……。

アクアレベルともなると、単に天才として済ますのも「ファンタジー」ではないかといえば、もちろん「ファンタジー」である。フィクションなので当然どこかに「ファンタジー」な部分は出てくるわけで、問題は、どれくらい飲み込みやすいファンタジーかというところにある。生まれ変わりというファンタジーは、飲み込めないわけでもないし、飲み込めるように色々凝らされているのは分かるのだけど、だからといってスッと飲み込めるわけでもないんだよな、というモヤモヤである。

恋愛リアリティーショー編を巡る炎上については、特になんともいいようがない。

MEMちょがるみるみなの、全然知った上で聞いても分からん。MEMちょというキャラとるみるみというキャスティングはわりと納得感あるのだが、その上で、るみるみだと分かる声になっていないのに驚き。

ルビーの人が新人なのもわりと驚き(上手い)

ゆきが大西なの、大西だと分かった上で聞いたら分かった。

有馬かな、有馬かなー!

黒川あかねのCVは、石見舞菜香か。石見舞菜香はいくつか作品見たことあるけど、どんな声だったかちゃんと覚えられていなくて、黒川あかねは、どことなく早見沙織系列の声かなーと思いながら聞いていた。

 

ここまで書いた後、原作を最新話まで一気読みした。

超自然現象要素の少女が出てきたりして、「ファンタジー」部分も(当然ながら)ちゃんと回収しようとしているなあと思った。

今、個人的に気になっているのは、ルビーがアクアの正体にどこまで気付いているか、だな。

黒川あかねは、少なくとも生まれ変わりの可能性を検討するところまではいった気がする。

宮崎旅行のあたりで、ルビーが何か色々気づき始めたのではないかという感じがするが、さて、といったところ。



鬼滅の刃・刀鍛冶の里編

あの里のセキュリティ、ガバくない?

いや、それ以外にもいろいろ感想はあるはずだし、これではあまりにも推しの子と鬼滅との間で文字数の差がありすぎるのだが、とりあえず今日はこのへんで……