プリズムの煌めきの向こう側へ

二次元アイドル・アニメ・声優あたりの話題中心で、主に備忘用のメモ

ナナシス2053 エピソード SEASON1

ナナシス2053・Asterlineのエピソードを、断続的に読んでいる。
数ヶ月前に読んだきりで当時のメモもなく、テキトーな記憶のものもあるけど、とりあえず第一部が終わったということもあり、大枠でこんな感じなのかなというメモ


以前の記事(KARAKURI/ 『Re:SONANCE』 - プリズムの煌めきの向こう側へ)で書いたけど、
茂木がナナシスから離れたタイミングと、自分のライフスタイルが変わったタイミングが、たまたま一致していたことと、これにコロナも合わさって、2021年以降、ナナシスとは距離が開いてしまった。
そんな中、2022年7月のRoots.エピソードはほぼ公開された時期に見て、結構面白かったので、徐々にナナシス復帰していきたいなという気持ちが湧き、その後少しずつAsterlineのエピソードを読み進め、追い付いてきたところ。
いわゆる出戻り支配人になるんだろうけど、他にも出戻りしてくれる人がいたら嬉しいなと思って書きました。
また、既に出戻っている人や、ずっと支配人を続けている人たちとも、改めて「ナナシスいいね」という気持ちで書きました。


一ノ瀬マイ、朝凪シオネ、そして奈々星アイの3人からなる新ユニットAsterline
彼女らが出会い、ナナスタWに所属し、ユニットを結成し活動を始めていくあたりが第1章として展開されている。
奈々星アイの正体は、かつてStella MiNEの1人として瞬く間にトップアイドルになった星影アイで、髪の色と苗字を変えている。要するに、ナナシス2053における七咲ニコル=六咲コニーである。アイは、コニーさんと同様、新人アイドルたちのメンターとして振る舞うが、あくまでも「ジャーマネ」だったコニーさんとは異なり、自身も現役アイドルとして活動を続ける。
丁寧語で喋ってたり、「キラッキラの、あたしで~す!」という決めゼリフだったりが、聞いててなかなかクセになるw 
個人的にはすごくアイカツみ、特にスターライトみを感じるアイドルだったりする。
第2話「「私」のステージ」から登場するのが一ノ瀬マイ
高校のアイドル部に所属するも、そのドジっぷりで空回りが続いていた。ドジでおっちょこちょいだけれども、とにかく声が大きくて元気でアイドルに一直線、というキャラクター
ちょっと面白い設定だなと思うのは、舞台演出家として天才的というところ。
アイドル部でも、卒業生を送るステージの演出を担当し、その関係でナナスタWへ所属することになっていく。
アイドルもの(あるいはそれ以外のジャンルでも)の主人公ポジとして「ドジで何の取り柄もないけれど実は○○の才能があって」というパターンはありふれているが、その○○に「舞台演出」を入れてきたのは、ちょっとひねってきてるなと思う。
第3話「息、止めてちゃダメなんだ」から登場するのが朝凪シオネ
子どもの頃から歌が上手で、オーディション番組に出演していたが、緊張して失敗したことをきっかけに、それ以降できるだけ息を潜めて存在感を消すようにして生きてきた。
エピソードのタイトルが秀逸だと思う。「息、止めてちゃダメなんだ」
このタイトルに、シオネがアイドルになっていく物語が全てこめられている。
見た目だけのファーストインプレッションでは、Asterlineの3人とも個人的には特にピンとこなかったのだけど、このエピソードを読んで以降、シオネが推しになりつつある。
ボケのマイに対して、ツッコミのシオネという関係ができあがっていく。
しょっちゅうテンパってすぐにグルグル目になるあたり、シオネもシオネでコメディリリーフなところがあるが。
ナナシス2053は、コミカルな部分も上手に作られていて、シリアスなところとの緩急がいい。
3人それぞれが商店街をベースに仕事を探しつつユニットを結成していく第4話「まだ、何者でもない星」
Asterlineとして初ライブをやることになるが、それが田舎のお祭りで、期せずして合宿みたくなっていく第5話「星屑のアーチ」
この2篇がとてもよかった。
基本的に軽やかに進んでいくのだけど、時々グッとくる台詞が不意に現れる。


さて、第1部最終章にあたるとされる「スター・ライト」の話に移る前に、Roots.にも触れておきたい。
公開順的には、Roots.のエピソードは、「まだ、何者でもない星」と「星屑のアーチ」の間くらいに公開されていたような気がするけれど、Asterlineの方を公開にあわせて読んでいなかったので、ちょっとここらへんあやふや。
Roots.のエピソードは、何故か公開当初に読んでいた。


2034年ナナシス世界に、かつてのトップアイドルとして「セブンスシスターズ」がいたように、2053年のナナシス世界には、かつてのトップアイドルとして「Stella MiNE」がいる。
Stella MiNEは既に解散していて、上述した通り、そのうちの1人である星影アイは、奈々星アイと姿と名前を変えている。
では、星影アイのパートナーであった(Stella MiNEはデュオである)月代ユウはどうなったのか。
彼女は、とある大型オーディション番組に出演していた。
名物プロデューサーによる新アイドル企画のための公開オーディションに、数多くのアイドルたちが集っていた。
Roots.のエピソードはこのオーディション番組の展開に沿って進んでいく。
ひたすらストイックに、というよりも、ただ自分の中に閉じこもってレッスンを続けるユウ
そこに、タン・シヨン、フラナ・リンという2人がかかわりを持つようになる。
シヨンは、別のアイドルユニットに所属していたが、浮きこぼれというか、トップを目指そうとするシヨンは次第に他のメンバーとの間に齟齬を来すようになり、単身、このオーディションにやってきていた。
フラナは、ひきこもりっぽい子で、音楽制作に才能を持つマイペースなぼくっ子
寡黙すぎるユウと、気まますぎるフラナに、意外と世話焼きなシヨンが振り回されつつ、引っ張っていくという3人の関係が、次第に築きあげられていく。
シヨンが「女王様気質でプライドが高く」と紹介されているんだけど、「意外と世話焼き」と書いたように、それだけじゃないところが可愛い。
ウメと4U、キョーコとLe☆S☆Caの系譜に位置づけられる、センターが女王様気質の3人ユニットといえるかもしれない。ただ、ウメやキョーコがある種のツンデレすると、シヨンはまた違うキャラクターで、そんなにツンではないし、デレるというよりお母さんw
Roots.の話、まだ全然途上で、わからんところも多いんだけど、早く、ユウを巡ってシヨンとアイが取り合いしているところが見たいよー(急にひどいオタク)
というか、当然そういう物語になっていくとは思う。
取り合いっていうか、ユウのアイドルへのモチベーションはもともとアイにあって、突然アイが去って行って、何が何だか分からないのだけど、アイに教えてもらったのはアイドルになることだけだから、アイドルを続けているみたいない歪な状態に、今はいる。
かつての仲間に恵まれなかったシヨンが、今後、ユウとフラナと一緒にアイドルをやりたいんだって流れになって、ユウの気持ちがどうなっていくのか、というのがやはり今後予想される王道の展開だろう、という話です。
もっと身もふたもない言い方をすると、元カノに未練たらたらのユウを、シヨンは振り向かせることができるのか、ということなんですけど。
そもそも、ユウにアイドルの道を進ませながら、理由も告げずにStella MiNEを解散して姿を消し、あまつさえ、全然別な人と新たにアイドル活動をし始めたアイが一体何を考えているのかというのは、今のところよく分からず、今後、Roots.として他の2人とも絆を強めたユウが、Asterlineをやってるアイと再会して、やりあうことになって、分かってくるところもあるのかなと。
ところで、アイのことをスターライトみがあると先に書いたが、この、己がアイドル道のために周囲を振り回す感じは、その中でも特に美月さんタイプ……。
あるいは、この三角関係(?)は、トライスター騒動を思わせるところもなくはないが。
今のところ、まだRoots.のユウと、Asterlineのアイは、互いがまたアイドルをやり直していることを知らない。

「スター・ライト」
さて、Asterline第一部最終話として公開されたのが「スター・ライト」というエピソードである。
ここでは、Stella MiNE解散後、業界トップに躍り出たスタジオ「LuSyDolls」とそこの新ユニット「RiPoP」が登場する。
新人アイドルの登竜門Twinkleアイドルフェスへの出場を目指すAsterlineは、まさにこのフェスでRiPoPと対決することになる。
このRiPoPだが、LuSyDollsの中のトップアイドルである恋渕カレンと、LuSyDollsの研修生である一ノ瀬ミオリからなる2人組である。
恋渕カレンは、実力主義の世界の中で自信満々に振る舞う高飛車な感じの子だが、TLで検索すると「メスガキ」と呼ばれていて、あー、こういうキャラがメスガキキャラっていうのかーと思ったが、エピソードが進むと、アイドルへの矜持も垣間見えてかっこよさもある(「アイドルはステージに怯えない」とミオリを窘めるとこ)。
一方の一ノ瀬ミオリは、マイの妹である。
友達が応募したことでアイドルになったミオリは、姉のマイに憧れつつも、アイドルになったことを姉に隠していた。マイとは違いしっかり者の一面を持ちつつも、マイ同様の天然っぽさもある。
ミオリの天然っぽいマイペースっぷりは、後輩の前で実力主義的・露悪主義的な言動をするカレンを時に翻弄する。
表面的には後輩を厳しく指導する先輩とそれに健気についていく後輩という関係なのだが、実際のところ、後輩のマイペースさに翻弄される先輩と先輩の指導もどこ吹く風な後輩という関係も垣間見えてくる2人だったりする。
ミオリはその点で食えない奴だな、という印象もあって、この天然っぽさも、どこまでマジもんの天然なのかと思わせるところがなくもないのである。
(例えば、カレンは星影アイを強烈に意識しており「圧倒的なカリスマで、上から見下していて、ムカつく女だ」と言い放つのだが、これに対してミオリは「先輩みたいですね」と返すのである。もちろん、「私がムカつく女だっていうのー」と怒られるわけだが、このあたりのミオリの返しはあまりに絶妙すぎる)


というわけで、ここまででナナシス2053には以下の4つのユニット、8人のアイドルが登場してきたことになる。
Stella MiNE(星影アイ・月代ユウ)
Asterline(一ノ瀬マイ・朝凪シオネ・奈々星アイ)
Roots.(タン・シヨン、フラネ・リン、月代ユウ)
RiPoP(恋渕カレン・一ノ瀬ミオリ)
ナナシス2053は、ナナシス2034から変わらぬよさを持っていると思うが、一方で、2034の悪かった点をきっちりよくしてきているなと思う。
というのは、このユニット数・アイドル数の少なさである。
まあ、ナナシス2034のアイドル数の多さ(38人)は、必ずしも全面的に悪かったわけではなく、あれにはあれのよさがあったし、また、リリースされた2014年という時期を考えたとき、ソシャゲでキャラものをやるならば避けられない仕様でもあったとは思う。
がしかし、ナナシスが、この38人のアイドルとそれぞれのユニットを全体としてうまくコントロール出来てきたかと言えば、疑問だろう。
2020年代(というか2010年代後半くらいから)に二次元アイドルものを運営するのであれば、アイドル数・ユニット数をうまくコントロールしていくことは必須課題だろう。
また、そのような運営面だけでなく、物語面で見たときも、このユニット数はよい効果を持っている。
ナナシス2034の場合は、ライバルである4UとKARAKURI、エネミーであるAXiSをのぞくと、登場するアイドルはみな同じ事務所の所属であった。各キャラや各ユニットにそれぞれの個性はあったものの、立ち位置は基本的に同じだったわけだ。
これに対して、ナナシス2053の場合は、登場するユニットはそれぞれ異なる事務所に所属しており、それぞれ異なる経緯や立場を背景に持っている。それがユニットごとの個性にもなっているし、世界観全体の広がりを与えている。
この3ユニットの中だと、曲がかっこいいからという理由とメンバー3人の関係が好きなのでRoots.推しなんだけど、
RiPoPなんかは、「いやこれ完全に大正解ユニットだな」という感じがしている。
この3ユニットのバランスが絶妙だな、と。
また、ナナシス2034の場合、同じ事務所に所属するユニットでありながらも、というか、同じ事務所に所属しているからこそ、ユニット間の関係をドライブさせていく物語が展開されにくかった(その例外として、七花少女(と777)やSOLがあって、あの2つのユニットのコンセプトやエピソードは出色だったと思うが、だからこそ、他のユニットのあり方との差異は目立つ。Le☆S☆CaやQOPは、ユニット単体としての完成度は非常に高いのだが、それがゆえに、逆にあの世界全体の中での立ち位置が不明瞭になってしまった感はある(777とAXiSがバチバチやってた頃、Le☆S☆CaやQOPは一体何をやっていたのだろうか、とか))
対して、Asterline、Roots.、RiPoPは、互いに異なる事務所に所属しつつも、ストーリー上互いに密接に関わり合っていて、このナナシス2053という世界観全体の中での布置が明確である。
ユニットごとのエピソードを追いつつ、この3ユニットが今後お互いにどう関わっていくのだろうか、という点から物語を見ていくことができる。
AsterlineとRiPoPはすでに接触があるけど、一方でRoots.はまだ直接他の2ユニットと関わっていないとか、そういうエピソードの進め方も心憎い。
それぞれ違う場所からスタートしながらも、例えばアイとユウ、アイとカレン、マイとミオリといった感じで、それぞれのユニット間にリンクがあって、これがどう絡み合いながら、進んでいくのだろうかと、今後の展開がどうなるか気になる、ワクワクしてきている。


さて、2053の4ユニットによる1stアルバム『Startrail』もこの程リリースされたが、こちらの感想もまた後日改めて書きたいと思う。